-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (番外編)

秩父縦走路で使っていたギア、食べていたものを備忘録として残しておこうと思う。

 ウェア&ギア

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finetrack-skinmesh

finetrack-powermesh knee

sherpa adventure gear-クンチャンタンク

smartwool-run short

c3fit-アームカバー

以上でほぼほぼ事足りていた。

 

outdoor research-axiom jacket

今まで使っていたmontbellのトレントフライヤーでは生地の厚さが頼りなく、撥水機能も落ちていたと感じていたのでこちらを購入。あまり出番はなかったが、防寒対策にも十分だった。常時ザック外側につけたバンジーコードで締め上げ固定していた。

patagonia-ultra light down hoody

防寒対策。寝る時に使った。

patagonia-houdini jacket

下山後のことを考え携帯。

numberのタイツ

防寒対策。あろうことかレインの下finetrack エバーブレスフォトンを家に忘れていたためこいつがあっただけでも助かった。

白馬岩岳の手ぬぐい

冬のホーム、青がカッコいい。

buff

いつも肘に巻いている

inov8-trailroc245

ドロップ3㎜がかなりしっくりくる。全面ラバーソールもfavoriteポイント。
愛用していたnewbalance110では裸足で履くので指にテーピングをまかないと皮が剥がれたが、こちらは何もせず、何も足に問題がなかった。ハヤシの中では今までのシューズでナンバー1の呼び声が高い。

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mountain hard wear-summit rocket 20l

長い山行はこれをよく使用している。背中はもう汗臭くて嫌になるほどだが、大きな口1つだけで後はフロントにポケットが4つあるだけ。シンプルで使い勝手が良い。

大きいポケット2つのうち一つはジップがついているがこちらも右側同様、ボトルを入れられる仕様だったらもっと良い。現行では同社のFLUID16が近いが容量がこれだと小さい。

ultraspire-impulse

自分は人より水をよく飲む。今回終わってみれば常時1.5L持っていたらどうにかなったのだが、水だけは多く持っていようと常時2,0L~2,5Lは持っていた。
500mlのペットをフロントに一つ。背中にはplatypusの1Lを詰め、腰回りにこのimpulse,500mlボトルを2本。
ボトルをフルに満たしてスピードを出そうとすると無理があるが、今回のような使用であれば問題はなかった。ボトルホルダーとは別に小ポケットが4つあるので、ようかんを2個ずつ詰めて使い勝手がよかった。

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black diamond-traverse 

これはスキー用のストック。そのままでは付けられないので、ダクトテープを巻き太くして、別売りのラバーキャップ?を装着した。チェーンスパイク同様、残雪対応で必要であればキャップを外して使うつもりだった。実際は残雪が殆どなく普通のストックとして登りで大活躍。普段は全く使わないが、背負っている荷物が通常より重いので姿勢を崩さない、腰痛防止に役立った。

mont bell-チェーンスパイク

出番なし。

 

食料

ジェルは一切持たない。固形物のみ。その方がパワーが出ると思ったからだ。今回は食べながら進むということはしなかった。休憩時は立ち止まって食事した。

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えいようかん あんこ5本 (1本170kcal)

       チョコ5本 (1本200kcal)

チョコがやはり豆の味がしてとっつきにくいかと思ったけどそうでもなかった。個人的にはあんこよりもよかった。

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アルファ米 チキンライス (約350kcal)

      ドライカレー (約350kcal)

贅沢は言えないがあんまりおいしくない。米を食ってる、パワー出る!というプラシーボ効果が大事。⁽行程的におにぎり握って詰めて行っても良かった。⁾

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レトルトパウチのさばみそ、しょうゆ さんま大根おろし (各約150kcal)

タンパク質が欲しくなる時がある。持っていって正解。普通にうまい。汁も関係なく頂く。

 

チップスター うすしお、のりしお 115g (各約500kcal)

ミックスナッツ 300g  (650kcal/100g)

定番のトレイルミックスと言えばチップスターにミックスナッツ。チップスターは砕いてジップロックでミックスするだけ。

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カルパス 5本 (1本 200kcal)

今回の変わり種。食った直後は胃がやられた感じがしたが、脂分が多いので後半効いたのでは?と勝手に思っている。でももう1度持っていくかどうかは要検討。

 

citric amino

メダリスト社の粉末ドリンク。何本持っていったか覚えてないが、水だけでは無理なのでアミノ酸をこれで補給。

 

途中で買った、頂いた

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コーラ 500ml 4本

小屋では1本400円。コーラはハヤシを救う。

アクエリアス 500ml 1本

極細ポッキー 一箱

大弛小屋のご主人に頂いた。1袋はすぐ食べたけど、もう1袋は非常時とっておき結局ゴール後のささやかな祝福として頂いた。

 

参考にはならないと思う(笑)

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (取り直し?! 念願の清里駅)

長きにわたる奥秩父縦走路、いよいよ最後です。

これまでのエントリはこちら。

春の奥秩父縦走路 - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで) - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (はっけよぉい!雁峠まで) - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (土俵際 信州峠まで) - the longer the higher

 

感動の?!ゴール

瑞牆山から駈け下り信州峠へ。途中、自販機で最後の準備をし最後の気合の入れどころです。

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時間に余裕はあるとは言えど、暗がりの道を行く時間を少しでも短くするため日没までレース張りのスピードで走りました。

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横尾山もまた急坂にぶつかるまでと急坂を越えた後のトレイルは気持ちよく、こんな状況でなくば一歩一歩ゆっくり踏みしめたいトレイルでした。

ここから豆腐岩、槍、と地図と事前に調べた情報をもとに順調に進みますが、それも明るいうちだけ。ルートは踏み後はあれど笹藪に覆われ確かめながら行かないと簡単にロストします。昼間であれば視界がきくため、多少踏みあとを外れても稜線をまっすぐ進めばいずれは道に戻るでしょうが、夜にそんなことが出来るほどの技量は兼ね備えていません。

ライトで足元を照らし、足裏で笹の生えていない踏みあとの感触を確かめながら行って迷っては戻りを繰り返します。はじめはルートから外れ道がわからなくなるとかなり焦りましたが、ここでも焦る必要はなく踏みあとの上を歩く、テープを確認することを怠らなければ道は清里まで続いているのです。

そして、時間をかけ例の鉄柵扉に辿り着きます。

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ここまではよかったです。ここまでは...

終わってから気づきましたが完全に情報収集不足と地図読みを怠ったせいで最終ピークの飯盛山はまさかのパスでした。本来であればこの鉄扉から出たらもう一度有刺鉄線を越えて飯盛山に向かいますがそんな情報は頭にあらず、牧場の作業道という明瞭な道をただただ下って行ってしまいました。それでも、もう1つピークを踏むには下りすぎているということはわかりました。しかし、その頃には戻る気力がなく、脚は清里駅に向かっていました。

真っ暗な舗装路を越え、民家の灯りのある舗装路へ。最後の最後でへまをおかしてしまったので複雑な心境でしたが、ルートは外れてしまったとはいえ2本の自分の脚で埼玉から清里まで来られたのは確かな事実です。最後はミスしてしまったことも笑って感動と共に吹き飛ばしました。

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(清里駅到着。)

どれくらい距離があったのか、累積標高は?と気にならなくはないですがそんなのどうでもいいんです。また自己満足感や達成感がないわけではありませんが、それよりもあの鳥の声が、緑の光景が、時を知らせる朝日、青空、夕焼け、闇夜が記憶に残るのです。ただ純粋に山を、トレイルを楽しみたかった。失敗もありましたが成功ということもなく無事にこの旅を終えられたことに感謝します。次は仲間と共にこのトレイルを楽しませて頂きたいです。

参考までに記録した時間だけは残しておきます。

ご自分の体力、技量、経験をよく知ったうえで挑戦される方は挑戦して下さいね。


5/14 0:10 西部秩父線横瀬駅-1:52 武甲山山頂-4:01 橋小屋の頭-5:14 オハヤシノ頭-7:38 酉谷山避難小屋(約1時間休憩) 8:45出発-9:55 長沢山山頂-11:56 雲取山山頂-14:02 飛龍山分岐-15:32将監峠-16:28唐松尾山-17:54雁峠避難小屋

5/15 3:00 出発-4:43 雁坂峠-5:58 破風山-7:32 甲武信ヶ岳-10:22 国師ヶ岳-11:00 大弛小屋-12:28 金峰山-13:57 富士見平-15:05 瑞牆山-16:41小川山林道入口-17:33 横尾山登山口-18:15 横尾山-20:08 鉄柵扉出入口-21:35 清里

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秩父部屋の森ノ山からは物言いがつけられているそうです。取り直しかな。⁽笑⁾

 

おしまい。

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (土俵際 信州峠まで)

旅も半分終わったところでしょうか。終盤に差し掛かり、土俵際の闘いの末の勝者は?

(これまでの奥秩父縦走のエントリはこちら)

春の奥秩父縦走路 - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで) - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (はっけよぉい!雁峠まで) - the longer the higher

 

焦らずゆっくり

雁峠避難小屋には18時ごろ到着。とりあえずお腹も空いていたので腹を満たし、寝る準備に入ります。日没は19時頃で、飯を食べ終え荷物の整理を済ませ、3時間後にアラームをセット。19時過ぎには寝ていたと思います。
アラームの音で目覚めますが、全く外に出る気がしません...あと1時間、23時に再度起きるも、もうちょっと...と繰り返していたら目が覚めたのは15日の2時でした。あろうことか普通に7時間も寝てるじゃありませんか。過去にも避難小屋で仮眠のつもりが爆睡で、あとの予定がおじゃんになってしまったことがありました。
Shinetsu Five Mountain Peaks - the longer the higher

Shinetsu Five Mountain Peaks 続き。 - the longer the higher

 

こうなったのも自分のマネジメントの甘さ。時間を計算したら最終区間の信州峠~清里駅の夜間走は避けられませんが、2日以内には完走できそうです。気を取り直して雁峠を3時に出発しました。
まだ真っ暗な闇に包まれた森の中をライトの灯りを頼りに前へ。出発時は上下長袖で体を覆ってましたが、動き出すとすぐに元のノースリーブ、短パンで行けました。

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(15日のファーストピーク。)

4時を過ぎると太陽が昇ってき始め昨晩の夕日に負けないくらい素敵な朝日が顔を出します。            

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(雁坂峠へ向かう途中。)f:id:mhbg2012:20160521184122j:plain

そして、雁坂峠に到着です。3年前は食料がもうなく、ここで道の駅へ下りてしまいました。今回は食料の半分以上は1日目で消費してますが、行けそうな気がします。
(参考には全くならないでしょうが、食料は何を食べていたのか別エントリで書きます。)

ここから甲武信ヶ武がまた未走区間ですが、問題なく行けるでしょう。

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(富士山がうっすらと映ってます。)

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(これで3度目の甲武信岳甲州武州、信州の境目にあるので頭文字をとって名付けられたとされる。)

 

優しい小屋の主人たち

雁坂峠から甲武信ヶ岳はアップダウンはあるものの初めてのトレイルと景色を楽しめました。山頂へ行く前に甲武信小屋に寄り休憩をとったのですが、とても雰囲気が良い山小屋で日を改めゆっくり来たいなと思うくらいです。

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甲武信小屋ネット - kobusi.com
ご主人のとくさんは表で日を浴びながら、これから出発するご家族との会話を楽しまれていました。家族、(親、子)と隣のおじちゃんの見ていると思わず微笑んでしまう日常的な風景がそこにはありました。
コーラを一本注入し、「またゆっくり来ます。」と告げ小屋を後にします。
甲武信ヶ岳山頂を下ると国師ヶ岳までは僕がこの縦走路で最も好きなトレイルです。

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カフカのシングルトラック。両サイドは木々に囲まれ、木々の隙間から見える景色。道をふさぐ倒木。倒木の上にこれでもかと生える苔。幾年も時を重ね、時を越えてきたこの土地に足を踏み入れることは不思議な感覚で、前回もそうでしたけどこの区間を走ると時間という観念がふっとんでしまいそうに。

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国師ヶ岳山頂に立つとお隣の金峰山は姿をくらましていました。

すっかり忘れていたのですが、奥秩父最高峰は北奥千丈岳(2,601m)。ここから進行方向を少し下り、左手に分岐があったはずなのですが、全く覚えておらずでもったいないことをしました。

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大弛小屋に到着。こちらでは偶然にも作業するためだけに上がってきていたご主人とお会いできました。水が1補給100円で500円玉しかなかったので、両替してもらうと「水ってのはその人にとっての価値だからね。いちいち確認しないけど10円とかで済ませる人もいるよ。」と一言。500円入れておいてもよかったですね...それくらい山の上では水が貴重です。
ご主人もタバコで一服。「これも縁だからね。よかったらどうぞ。トレイルの人は食べ物あんま持たんでしょ。」と極細ポッキーを下さいました。
7時間も寝てしまったことにやや後悔をしていましたが、こんな出会いがなかったと思うとこれはこれで良かったんだと実感。小屋のある大弛峠は西に金峰山、東に国師ヶ岳と挟まれている上、車でここまで上がってこれる絶好のスポット。ただし、今の時期はまだ林道が開放しておらず、通るのは縦走する人くらいで実質開店休業中らしいです。

ここでも「またゆっくり来ます。」と別れを告げ金峰山へと向かいます。

 

3年前とほぼ同じ時間で

薄々気づいてはいたのですが、甲武信ヶ岳を出た時間と以降の通過時間が3年前とあまり変わりがなかったのです。3年前のことを思い出すと、帰りのバスの時間もあったためか急いでいた記憶しかありません。そのくせ、これから向かう金峰山の五丈岩に圧倒されゆっくりしてるとまた後ろの方に時間がおし、猛スピードで瑞牆山を駆けのぼった記憶があります。
今回は時間に余裕があるのと、1度通ったことがあるというだけで心にも余裕がありました。

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(朝日峠)

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(金峰山、五丈岩。)

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(五丈岩の方を振り返ってもガスで覆われていましたが、金峰山荘の方は一瞬晴れ間を覗かせました。)

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(一部のお仲間にしかわからないと思います。『ハト”岩”師匠!!!!?』)

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(ガレ場を抜け、更に下るとこれまた珍しい巨岩。大日岩。)

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そして瑞牆山への分岐、富士見平小屋に到着。3年前はここを15時くらいについて息を上げながら全力で登ったことを覚えています。今回の到着は14時と1時間しか変わりませんがまだ日も高い位置にあり焦る必要もありません。コーラをここでも1本注入。あとのことも考え400円コーラの2本目も購入しておきます。

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(登山道は岩、岩、岩の連続。こういう遊び心が大切。)

山頂が見えると声をあげ”WOO HOO!!”と思わず叫んでしまいました。
晴れていれば今まで自分が歩んできた稜線を見渡せるのですが、ここでもガスは晴れませんでした。頂上には誰もいないと思ったら一人学生っぽい男の子が。せっかくなので写真を撮ってもらいました。これが道中唯一、人にとってもらった写真です。

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いよいよ最後の難所、信州峠~清里駅。どうなることやら。

続く。

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (はっけよぉい!雁峠まで)

旅の経緯とスタート~雲取山まではこちら。

春の奥秩父縦走路 - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで) - the longer the higher

 

雲取山では全く止まることなく先へ、ここからが奥秩父縦走路です。雲取山から雁峠(がんとうげ)辺りまでは主に山のやや南の斜面につくられた道を行きます。

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 次に目指すは飛龍山。ピークはルートから外れ、登るのであれば山頂へ行って、戻ってこなければなりません。前回はパスし、今回は登るつもりでいました。

左手には恐らくそれであろう、大菩薩連嶺や山梨の山々が見えます。いつもお世話になっている山と高原地図雲取山両神山金峰山・甲武信。地図を広げると実は横長ではなく縦長で、南北にも山々が並び、奥秩父縦走路につながっているのです。

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(飛ぶ龍が如く、飛龍山。丹波山村から飛龍山への道はまるで竜の背のよう。)

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(飛龍山付近。倒れた木さえも龍に見えた。)

飛龍山頂へ向かう分岐に着きましたが、ここで再度睡魔との格闘が始まっていました。まだ日が高かったので、日の出ているうちに地べたで寝転がって休むか、小屋についたところで寝るか、そして飛龍山頂はどうするのか。
なかなか来られる場所ではありませんが、結局山頂へは登らず分岐にある祠に「また来ます。」と告げて先を進むことにしました。

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(飛龍山頂、丹波山村雲取山、次なる将監峠への分岐)

飛龍山は断念しましたが、もうひとつ楽しみにしていた場所があります。

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それが禿岩(はげいわ)です。今回は雲でそこまで景色を見渡せませんでしたが、前回ここに立ち、見下ろす景色は圧巻でした。奥秩父縦走路を繋ぐ山々が俗に”東アルプス”と呼ばれるに相応しい山であることを確信した場所でありました。

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どこで寝ようかと考えながら眠気を押し切り将監峠へ到着しました。

日没前まで行動して着きそうな場所が雁峠避難小屋、眠いのを更に押し切って泊まれるのは破風山避難小屋。どちらで寝るにせよ3時間程仮眠をとろうと考えていました。

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ひどい顔してますが、眠いところでのアップダウンはかなりきます。ここまで来ればお隣の笠取山を登って下れば雁峠避難小屋です。

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唐松尾山のあと、実は迷いました。笠取山頂を通り雁峠へ向かうルートと、山頂を迂回して雁峠へ向かうルートがありました。眠かったこともあり、もう目の前にある道しか見てません。山頂を通る予定で進んでいたはずなのに、下りすぎていることに気づき戻ることに。しかし、戻っても分岐がよくわからない…前回はピークをしっかり通ったことだけは覚えていますが、どういう道だったかまでは覚えてなかったのです。

仕方なく迂回ルートで合流することに。

f:id:mhbg2012:20160521063319j:plain(合流し、振り返ると悔しいほどに綺麗な頂が…)

これからは夜間走ということもあり眠いまま進むとえらい目にあうので雁峠避難小屋で休むことに。疲れた心身にこの夕焼けはちょっとしたご褒美でした。

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無事避難小屋に着き仮眠をとりますが、ここでの判断が後半にひびくことに...

 

続く。

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで)

春の奥秩父縦走路 - the longer the higher

夜とお友達になる方法

5月13日⁽金⁾、仕事後に一度帰宅し、1時間半の仮眠をとり終電で西武秩父線横瀬駅へ。
日付が変わった14日午前0時10分に同駅をスタート。まずはファーストピークの武甲山を目指します。⁽スタートがここからになったのは後程説明します。⁾

 

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今回、計画を立てる上で重要だったのはどこで夜を過ごすか。⁽夜間走をするのか。⁾ということでした。計画では1日半、約36時間⁽休憩含ず⁾で見ていました。一度通ったことはあるとはいえ、空白⁽未走⁾部分があったのも確かです。⁽酉谷山~雲取山、雁坂峠~甲武信ヶ岳、信州峠~清里駅は走ったことない。⁾
なかでも夜は避けたいと思ったのが最後の信州峠~清里駅。山と高原地図では破線となっている部分があります。事前にヤマレコ等で情報を収集しましたが、踏み跡があっても笹藪が多いとありました。順調に進んで、この最終区間を昼~午後に持ってくる予定でこのスタート時間に至りました。

 

横瀬駅武甲山以降の多摩方面へ向かう南下ルートは何度も通った、仲間を案内したルートです。ファーストピークの武甲山を夜に上ったのは初めてでした。山頂付近には立派な神社もあり少々ビビッていたのですが、山頂に立つと町の夜景がとてもきれいでナイトハイクには抜群の山です。⁽写真ありません。⁾

ハッキリ言って夜間走は怖いし、視界も悪く、楽しくないと思ってしまいがちです。これまでレースでも何度か夜間走は経験しましたが、特に走ったことのないルートを突っ込むことは気力を使います。
しかし、今回は進む方向には遠く明るい光が見え⁽東京方面⁾ルートも知り尽くしているからか楽しむことが出来たほどでした。必ずではないけれど、通い詰めれば苦手な夜も克服できることを教わりました。

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夜明け~FLAT TRAIL長沢背陵尾根

そうこうしているうちに3時を過ぎると徐々に空が白んできて朝を迎えます。4時になると鳥のさえずりから大合唱が始まり、今日という舞台の幕開けです。

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(有馬峠で朝を迎える。)

予定通りに進み南下終了。日向沢ノ峰と蕎麦粒山の間にあるオハヤシノ頭分岐に出たらひたすら西へ向かいます。一つ目のヤマとして考えていたのが東京都最高峰、雲取山

そこまでのトレイルが極上でした。
地図を見ればわかりますがここから先はアップダウンが少ない山道で、左手に多摩方面の山を見ながら焦らず、ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせ進みました。

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(最初の給水ポイント、一杯水。涸れていることもある。)
今回、本当に助けられたのは天候と時期でした。お天道様が1日中ギラギラと照っていることもなく、雲に隠れっぱなしということもなく丁度良いタイミングで顔を覗かせてくれ行動中はノースリーブ、アームカバーで調整、下はファイントラックのパワーメッシュニータイツに短パンでした。

また、例年ではこの時期はまだ残雪が結構あり、特に甲武信ヶ岳以西は普通だったらこの格好での縦走はできないと思います。

 

スタートから7時間半が経った頃、はじめは気持ちが高揚していたのもあって全く感じませんでしたが光が差し始め落ち着いたところで眠くなってきました。

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(焦る必要は全くないのでこちらで休憩。アルファ米を食べ、20分ほどの仮眠。)

避難小屋の利用は最初から頭に入れていました。ダウン、サバイバルシート、ソロツェルトを持参していましたが、利用できるものは利用させて頂きます。(今回の目標は通しで清里まで2日間以内。)

たった20分の仮眠ですっかり元気に。

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⁽休憩前、結構きてるなと思い顔撮ってみたら眠そうでした。⁾

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(アフター。目が違います!)

避難小屋から先、雲取山までが未走部分でしたが、その後も想定した時間通りに進みます。

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僕個人はアップダウンの激しいエクストリームなコースを走ることの方が好きだったりしますが、フラットで淡々としたシングルトラック、緑が広がり、人の気配がほとんどしないこのトレイルに魅せられました。守っていかなくてはいけない、守りたくなるそのままの自然の魅力を持っていました。⁽所々斜面を踏み外すと崩れるのでそこはゆっくり。⁾歩くとなると本当に長いですが女性にも優しい、おすすめトレイルです。

雲取山以西にも幾つか未走部分はありましたが、今回の旅のハイライトは何と言っても長沢背陵尾根。時間を忘れ楽しむことができました。

避難小屋で1時間の休憩⁽仮眠含め⁾を取りましたが予定の30分ビハインドで雲取山荘に到着。ここまで来ると登山客も多く見られます。再度水を補給し、山頂へ。

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(スタートから約12時間、雲取山に到着。)

頂上にはオシャレな人たちで賑わっていました。雲取山へはこれで4度目くらい。今回もちょうどガスがかぶり良い景色は見えませんでした。とりあえず、一つ目のヤマを終え気が楽になりました。と思ったのも束の間、ドラマはここからです。

 

続く。

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (はっけよぉい!雁峠まで) - the longer the higher

春の奥秩父縦走路

2016年5月14日から15日(予備日16日)の2日間で奥秩父縦走路へお出かけしてきました。その記録と旅の途中、旅を終えて思ったことなどを幾記事かに分け書こうと思います。まずは長いですが今回の旅の経緯です。

秩父縦走路(奥秩父山塊、奥秩父連峰)とは?

僕自身がいつも説明する際は「東京の多摩から山梨の清里まで山が連なっていて、その東西に延びる一筋の山道が奥秩父縦走路」といった感じで説明してますが、こちらの方でもう少しく詳しく説明されています。今回の旅のきっかけとなった著書が最後に紹介されていますのでさっと目を通していただければと思います。

奥秩父連峰 - 関東の主要山域 - ヤマケイオンライン / 山と溪谷社

また南北アルプス縦走レース(TJAR)を主催する団体がこのルートを使ってレースを毎年開催しているようです。

分水嶺トレイル

他にも検索すれば僕のようにトレイルランに傾倒した方々がこの縦走路を楽しまれているようだということがわかります。僕もそのうちの一人です。

 

3年前の宿題

実はこの縦走路を通しで行くのは2回目でした。3年前の9月に3日間の時間を費やし挑戦しましたが、計画不足により中途半端に終わりました。その無念を晴らす為でもありましたが再度、奥秩父へ脚を運んだ主な理由は他にありました。

(3年前に挑戦した時の記録はこちらから)

森の東アルプス ~秩父山塊~ - the longer the higher

森の東アルプス ~秩父山塊~続き。 - the longer the higher

森の東アルプス ~秩父山塊~続きの続き。 - the longer the higher

 

『山の憶ひ出』(木暮理太郎著)
先ほど奥秩父の説明のため、引用した記事の最後にあるこの書籍。

山に入り始めた頃はそうでもなかったですが、色々な山へ行くにつれ、山の世界の歴史にも興味が湧いてきました。図書館でふと目についた、分厚い文庫本。気になって読んでみると、群馬出身である著者が奥秩父への情熱を注いだ記録がつらつらと書かれていたのです。
秩父は今いる実家の春日部から遠い場所で地元とは決して言い難いですが、埼玉県出身の僕としては秩父をホームとして仲間を案内してみたい。しかし、案内するほど実は通ったこともなくほとんど何も知らなかったのです。
そして、読み始めて間もなくどうしても頭の中に残る文章が、今回の旅のきっかけとなったのです。

命名、ーTSUNATORI (綱取り)ー

...秩父山脈と日光火山群とは、互に馬蹄形の一端に位置して、頗る趣が似通っているのみならず、南北アルプス地方を除けば、何処へ出しても後れを取らない所は、正に関東の“両大関”と云うてよかろう。」(『山の億い出 上』木暮理太郎 著)

秩父山脈と日光火山群とは、...正に関東の“両大関... 

この大関という例えがどうしても頭から離れなかったのです。そして僕の頭の中で..

北アルプス横綱

秩父山脈、日光火山群=大関

「これは...自分が横綱に昇進する(もっと強くなる)には大関を倒してから横綱(綱取り)に挑まないといけない…」と小学4年生くらいの発想が今回の旅のスタートでした。

秩父縦走は3年前にトライしたと言いましたが、実は日光へも何度か足を運んでいて、日光火山群を含めたロングトレイルに昨年挑戦していました。⁽日光へは届きませんでしたが。⁾

TGIF (Tochigi Gumma It's Fukushima) - the longer the higher

TGIFの続き。 - the longer the higher

 

その両山脈の重厚さ、奥深さを一度肌で感じていること、自分の発想と登山の先駆者である木暮理太郎氏の発想が重なったことで一気に火がつきました。

とてもくだらない話ではありますが両大関を今年中に倒す!と同時に南北アルプスにはない魅力を仲間へ広められたらという想いで今シーズンは走るのです。

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次回からいよいよ本題(奥秩父縦走記)へ入ります。

こちら。

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで) - the longer the higher

-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (はっけよぉい!雁峠まで) - the longer the higher

森の東アルプス ~秩父山塊~続きの続き。

2013年9月

以下の記事は当時のFB投稿をコピーしました。

森の東アルプス ~秩父山塊~ - the longer the higher

森の東アルプス ~秩父山塊~続き。 - the longer the higher

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5:10甲武信ヶ岳 徳ちゃん新道入口
7:50甲武信ヶ岳
11:00国師ヶ岳
11:35金峰山登山道入り口
12:50金峰山
14:10大日岩
15:00富士見平小屋
15:50瑞ガキ山
17:20小川山林道入口
18:00信州峠
19:10川上村スーパー ナナーズ着
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道の駅ではほとんど寝られず朝を迎えてしまった。外に出るとまだ星が見える。そして何よりも寒い。この程度ではまだ序の口だとは思うが凍てつく寒さだ。吐く息も白い。3日目の行程にはボクが行きたかった山全てが詰まっている。
甲武信ヶ岳という山名に魅かれ、金峰山の五丈石をこの眼で見たいと思い、小川山でクライミングをした時に見たミズガキ山を登ってやりたいとずっと思っていた。
いずれの山も単体としてボクには見れなかった。東アルプスの存在を知ってからは3つで1セットだと。
登山道入り口から登りが続く。10分も歩くともう夜が明け始め、体も熱くなってきた。もう防寒具は必要ない。待ち望んでいた青空も広がり、やる気がわいてくる。
途中で振り返ると富士山が見えた。高度を上げるたびに富士山も高く、でかく見えその日本一の山であるという絶対的な存在を感じさせる。
影場は寒い。足元を見ると霜柱が立っている。山の秋は街で言うともう冬だ。
約2時間半で登頂。眺望は最高で更に先へ進むエネルギーにもなる。

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ここからのトレイルが素晴らしかった。倒木は多いものの、ゆるい下り基調のトレイルが続く。2000m以上の高度で走っているんだという優越感がたまらない。足の回転も速くなる。長いトレイルを終え、国師ヶ岳へ到着。向かうは一番気になっていた金峰山だ。

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一度車道まで降りてからの登り。駐車場には結構な車がとまっていたので、人が多いことを予想していた。山はみんなのものだけど、山頂でガヤガヤうるさくされるのとか、メシを大人数で食べている光景はあまり見たくない。
この道も今まで同様、地図にある時間よりも早く着く。森林限界を超え山の稜線に出ると、むき出しの岩だらけだ。オレンジ色に染まり始めている葉とミドリの葉の色彩がとても綺麗だ。山頂へ向かうと、念願の五丈石が姿を現す。その異質で、神秘的な存在に圧倒され、いつもなら5分と留まらない山頂に20分くらい居てしまった。

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時間がせまってくる。残すはミズガキ山のみ。時間がないともわかっていながらも、何度も振り返ってその景色に見とれてしまった。本当にイイ山だ。
先を急ぎ、大日岩を通り過ぎ、富士見平小屋まで降りて来た。もう15時だ。ミズガキへの道を進もうとすると小屋の方が「これからですか。行くのに2時間、戻ってきて2時間で暗くなってしまいますよ。」と忠告をしてくれた。本当はそんなことを言わせてしまうような行為はしたくない。が、どうしてもいきたい。
ボクの中でも選択肢があり、15時30分までにこの小屋に着けなかったら諦めて温泉に入って、バスで駅まで向かい帰ろうと思っていた。実際は15:00に着いた。ここからぶっ飛ばして登って、来た道は戻らずに反対側の下山路をとり、そこから信濃川上駅まで走ることにしたのだ。真っ暗になる前に山から下りてしまえば何とかなる。
自分に細心の注意を払うように言い聞かせ、ミズガキ山への道を走り始める。もちろんトップギアで。一般の人が2時間かかる道を50分で登りきった。そしてミズガキ山からの眺望は最高のご褒美だ。岩の上で走ってきた方角を見つめる。
「ありがとう。東アルプス。」

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猛スピードでのぼったように、猛スピードで帰らないといけない。もう16時をまわる。暗くならないうちに人里へは降りれる。実際に降りたが、ここからが本当に自分でも呆れてしまうくらい大変だった。

小川山林道を抜け、信州峠手前の集落に着く。18時前だ。ここから信濃川上駅を目指す。地図を見る限り10kmあるかないかということは把握していた。しかし、駅を目指す前に大切なことがある。
『食料の補給』
まさかの二度目の食糧難。バッグにはクルミだけがたくさん残っている。10kmだけだったらと思い、山頂で他の米などは食べつくしてしまった。そして信州峠を超えるころに空腹は襲ってくる。あとは下りだと安心していたら間違えで、クルミをいくらほおばっても力が出ない。足を止めると体が冷えてしまう。集落の手前にあった自販機は買おうとしたコーラが売り切れで、パスしてしまった。なんて馬鹿だ。終電は20時35分。防寒具を着てゆっくり歩いてもいいがそれでは余計に長く感じてしまう。空腹で手もなんとなく震えてくる。寒さが原因じゃない。空を見上げると満点の星空が見える。「最後にこんな綺麗な星も見られるなんて。」と笑ってみる。自分を落ち着かせるために。遠い。やたら遠く感じる。降りて行く道は畑が広がり、出荷の準備か何かをしている人もいた。でも助けは求めたくない。まだぶっ倒れないから大丈夫。「腹が減って動けないんです。」なんていったらどんな反応をされるのだろうか。
道路標識が見えてきた。とりあえず真っすぐ進み、駅にはダイレクトにいかないで、コンビニがある道を選んだつもりだった。が、あるはずのコンビニが見当たらない。「終わった。」右手にはなにやら明かりが見える。倉庫っぽくも見えたが、行ってみるとスーパーマーケットだった。
「助かったー!」と思わず声に出して言ってしまった。その後、食料を食い漁りタクシーを呼んで駅まで向かった。

馬鹿野郎の旅は終わりました。