生活路。

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二週間くらい前にどうしても今年中に行ってみたかった『道』へ行ってきた。

 

一里(約3.9km)ごとに観音様が鎮座している。隣の國へ行くために山を超え、行商がモノを売るために行き来した昔の生活路だ。
登山道はどれも歴史ある道に違いはないと思うが「山を登るために整備された道」ではなく、「生活をするのに必要な道」にロマンとでも言うのか強い魅力を感じた。

地図を見て予想した通り、なだらかな上りが延々と続く。僕らはランスタイルで行ったのでその緩やかな走れてしまう登りは気持ちがよさ過ぎた。

しかし、ちょっと時間のネジを巻き戻して同じ道を通った人の姿は背負子に炭やら何やらを積んで片道20㎞以上はある山道を淡々と歩んでいたに違いない。

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人ひとりが通ることのできる幅さえあれば十分で、足元には荒々しい苔や倒木が横たわっている。
山中を歩くことだけでさえ大変な労苦を要するというのに、この道は誰かによってつくられた。現代ではチェーンソーで木を切って、草刈機で下草を刈ればどうってことないが、無論そんなものもなかったであろう。そんなことも考えてしまう。

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人の往来がどれだけ盛んだったのかは知らない。

奥深く、人気の少ない山が好きなんだなぁ。

おやま三昧。

最後にネタをアップしてから約二か月、ほぼ毎週のように山へ行っていた気がする。

鈴鹿秩父、北信、白馬、八ヶ岳鈴鹿、養老...

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北信五岳のうちの一座、戸隠山。一般ルートでも要注意。ヘルメットが必要な理由がわかる。

 

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白馬鑓温泉again。メンバー、天候にも恵まれ、(他含め笑)最高の温泉山行だった。

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不帰キレット。(人影は後ろからすごいスピードで来たオレンジ色の人たち。)

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関西のおねーさま方と。

 

今年の自分の中でのテーマは『ひとりではなく誰かと山に行く機会を多く持つ』こと。

もちろん相変わらず一人で山へ行くことも多かったが、今年ほど友人と一緒に山へ行ったことはなかった。

何か変化が欲しくて、他の人から色々学べるんじゃないかと思ってそうした。

それでよかった。それがよかった。

 

今後の選択に良い影響を与えて頂いた。
なんかものすごく抽象的な自己完結な内容になってしまった。

気が向いたら各山行の内容をアップしよ。

K2K(上高地to上高地)

2016/8/14.15

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上高地河童橋を過ぎたところに小梨平キャンプ場がある。

今回はここにテントを張って要らない荷物は全部テントにおいて、軽装で周辺の山を巡ることにした。

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初日は徳澤から蝶、常念、大天井を経て槍沢を下りて戻った。

天候に恵まれ暑さで頭痛がするくらいだった。行程は約12時間。

もっと行けると思っていたけれど、治してない足裏のケガと体力があまりないことに気づく。

2日間あったので、荷物は預けてぶっ通しでビバークの用意だけ持って走ることもちょっとだけ考えたけど気持ちが今はのらなかった。やらなくて正解だったかな。

初めていく山に対しても最近ワクワクしない。こんな絶景を見ておきながら失礼極まりない。綺麗だなと思うのは確かなのだけれど、心のどこかでこんな簡単に来れてしまっていいのだろうかと物足りなさを感じる。

 

安くはない交通費を払って、滅多に来れない場所に来て、パパッと予定の山行をこなしているだけな気がしてならない。普通はそれで十分なはずなのだが…
自分の中で気持ちのブレが生じている。


それでも、今回この山域に来た理由は山小屋の友人に会いに行くため。
そのミッションはクリアした。

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2日目は岳沢、前穂、奥穂、山荘、ザイテンで涸沢小屋、本谷~上高地

 

天気は崩れ、景色は望めなかったものの不思議と1日目よりも楽しかった。

それはやはり目的があったから。また山の上の友人に久しぶりにあえて元気を貰えたからに他ならない。

穂高岳山荘ではカレーやら温かい飲み物やらをごちそうになりながら、談笑。

上高地から3時間で来たと言ったら「変態(笑)」と笑われた。

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続く涸沢小屋では、穂高で1時間もゆっくりしてしまい、雨も降っていたので滞在時間は短かった。顔を合わせるだけでも元気を貰えるのは山という、人里離れたアルプスの高所環境が余計に再会の喜びを感じさせてくれるのだろうか。

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カレーがうまい徳澤園。

 

下りてきてバスを待っていた15時過ぎ。山の視界が晴れ、小屋の友人からも「晴れてきましたね笑」とラインが入った。

まあこんな日もある。雨でも十分楽しかった。台風でその後2日のお山は見送りになったけど...

色々考えさせられることがあったので、次の行動に活かせそうだ。

鑓温泉。

久しぶりにテントを担いで、冬にお世話になっている先輩と温泉山行。

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1泊2日で2日目の朝、お許しを頂き一人、鑓温泉から白馬までランスタイルでピストン。走れるところはほとんどないけど。

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朝4時発、5時過ぎに絶妙のタイミングでこちら。

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ライチョウさんもお目見え。同化してる。

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雲がかかっていたが、姿を現した白馬岳。山頂は人であふれかえっていた。

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もうひとりの冬の同僚とも白馬の頂上宿舎で再会し、とっとときた道を戻る。趣が違っていいね。

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今月、予定変更でバディともう一回ここに来る。

今回も穂高から予定変更の鑓温泉だった。

星空の下のビールと足湯は最高だったなー。

お鉢巡りならぬ、お山巡り。

7月の頭に八ヶ岳に行って以降、山に行きたい、走りたいという気も起らず、時間的制限もあったせいか普段の帰宅ラン等もほとんどしなかった。

これじゃ、まずい。というかそろそろお山にでも行こうかなと思ったのが7月末。あまり気が進まなかったのだけれど、贅沢にも一人でレンタカーも予約してしまったのでどこか行ったことない山に行こう!と決めた。

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そして行ってきたお山は、庚申山。(皇海山は時間の都合上、今回パス。)

この山を登るためだけに埼玉から車を走らせるのは贅沢すぎる。前日、赤城山と湖畔の周りをちょろっと走って「明日は何処へいこうか?」とグダグダしていた。
赤城山がそこまで山としては面白くなかったので、(車でだいぶ上がってしまったせいだ。。。)もうちょっと荒っぽい感じのところを探していた。

前情報も何もなかったが、北関東圏の山地図は適当に持ってきていた。
当初は皇海山に行こうか行くまいか悩んでいた。滅多に来れる場所でもないし。

しかし、足の調子や体力の落ち具合、モチベーションを考え庚申山をゆっくり堪能することにした。

行って正解だったと思う。

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庚申山の頂は過ぎて、この展望。雲に覆われた皇海山(すかいさん)

庚申山のピークは地味だ。展望も何もない。しかし、ここに至るまでの道が素晴らしい雰囲気を漂わせている。

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山頂までの分岐点。

 

庚申山を開山したのは日光の山々を開山した上道上人様。その存在の是非も確かではないほど、資料が残っていないらしい。

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お山巡りの道は上級者向けと書いてあるが、しっかり整備されている道だった。
巨岩、奇岩が立ち並び思わず立ち止まり上を見上げていると口があいていることがしばしば(笑)

道中、出くわしたのはカップル1組だけだった。日曜日だったのでもっと人がいるかとも思っていたが、小屋を朝早くに出てみんな皇海山にでも行ったのだろうか。
(駐車場には車があった。)
何にせよ、この人とほとんど会わなかったということが、この山の雰囲気、魅力を更に引き出してくれたと思うと良い日を選んだ。

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自然の、大地の偉大さを感じ取れる山行だった。次回は皇海山も。

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八ヶ岳 2016.07.01

八ヶ岳と言えば自分の中では今はなき”OSJ YATSUGATAKE SUPER TRAIL”(八ヶ岳山麓ぐるっと1周コース。2012,2013に開催。両年出場。)の印象が圧倒的に強く、氷点下の中走ったり、蜂に刺されながらもゴールした思い出がすぐ浮かぶ。

今回は4年ぶりに稜線の縦走。

小淵沢から麦草峠まで稜線伝いで、その後まき道で北八ヶ岳ロープウェイで下山した。最終バスの時間がギリギリで、だめだったら蓼科山まで行って全部のぼって下山後途方に暮れようかとも思ったけど間に合って良かった(笑)

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(ロープウェイ片道1000円。途中、赤岳展望荘で買った500mlの水2本、1000円。朝コンビニで買ったおにぎり、行動食、水など1000円。根石岳山荘の水、無料。)

 

今回の縦走目的としてはトレイルの状況確認(どんなトレイルなのか)で、前から言っている奥秩父縦走後の八ヶ岳縦走が全部で48時間以内に可能かどうかを探りに来た。本当はこんな下見をしないでぶっつけでやって、できちゃいました!が1番格好いい。未知のトレイルに突っ込むという冒険要素も楽しむことができるが、今回はある程度、計算、計画的にやりたい。

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(主峰、赤岳。展望荘で働く知人にコーヒーをごちそうして頂いた。)

今回の下見から、W縦走は時間的に可能ではないかと思えてきた。
観音平を朝5時半くらいに出発し、麦草峠に13時40分くらいに到着。所要時間がわからないところは清里から八ヶ岳の登山口間と麦草峠から下山口の間だ。

ただ余り楽観視できない所もある。2日を要するのだから休憩、仮眠の時間は絶対必要。装備をどこまで軽くできるのか。夜間パートをどこに持ってくるかなどなど問題は尽きない。


「できるかどうかわからないことに挑戦する。」そのワクワク感と挑戦するまでのプロセスを積み重ねていくことが今の僕には大切だと思っていて、レースという形ではあまりそれをする気がしない、ワクワクしない、自分のスタイルにあわないので自分でこのW縦走(FKTとも言うだろう。)を思いついた。

 

また僕の中でFKTと聞いたらいくつもの山々を越えて、終わった後はボロボロだけど、やりきった笑顔の姿しか思い浮かばない。だからそれにはそれ相応の山々に力を借りなければならないと勝手に思っていて、奥秩父八ヶ岳はそれに応えてくれそうな気がする。

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(阿弥陀岳に気を取られちゃダメよ。カモシカさんに気づいてw)

 

次回はいよいよ本番になるだろう。あとは一緒にやってくれる人、協力してくれる人が揃って体調を整えたら準備万端だ。

W knuckles

先週末、関西から一人、僕と同じ埼玉から一人お仲間を引き連れ秩父、奥秩父の山で遊んだ。設定したコースは激坂!走れないような急斜面だったが、新緑の緑に吸い込まれていくように歩みを止めることなく進んだ。

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これはもう急斜面パートを過ぎた部分で、奥多摩秩父の境目である稜線がくっきり見えた。

はじめの激坂で張り切りすぎて、自分の脚は膝回りが両方攣りそうだった。前日の睡眠不足とご飯を食べていないせいでひどい目にあった。(正確に言えば自分で追い込む結果となってしまった笑)こんな状況2年ぶりくらい。本当にこの二人とレース外で遊べることに興奮していた。

 

仲間に助けられあとは下れば終わりというところまで辿りつき、小休憩。落ち着きを取り戻しゴールの温泉まで無事下った。1日目、終了。

 

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2日目。T氏のご協力でお家に泊めて頂き、レースでもないのにまさかの3時起床w

車での移動が長い。走力、体力、経験があったとしても余裕を持って下りてこられるようにしたかった。

2日目も1日目に劣らず激坂!約2時間、延々と登りを満喫して頂いた。今回のテーマは走るというよりは山慣れ。標高も頂きまで上がれば2400mは超える。
当初の予定では上り下りを別ルートで2セットだったが、時間の都合上、頂上に着いたのち稜線を走って戻るというピストン形式となった。(前日のダメージと風邪からの回復が追い付かず体力不足だったので内心『助かった。』と思った笑)

それでもこの山域の肝の部分は味わってもらえたと思う。奥秩父は僕自身、『縦走の山』だと思っている。今でこそトンネルを掘って、日帰りで来られる山になったが昔はそうではなかった。奥秩父の山に残る登山道は先人の生活路だった。

信州から甲斐へ、甲斐から武蔵へ、武蔵から信州へと山を超えモノと人が行き交った。

この広い山を重いものを背負い、または馬を使って生きるために使われた光景を想像すると今は軽装で車でアプローチして、日帰りで山を遊ぶということが軽々しく見えてしまう。
山の遊び方は自由だ。人それぞれに楽しんでいい。この日も沢やが多かったし、ぼくらのような格好をしたスピードハイカーもいた。
でも、もう1度ここに来るときは縦走でこの山域の雰囲気にどっぷり浸かってもらいたいな。

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下りの登山道で。カメラを構えても逃げなかった。僕らは彼らの住処にお邪魔させてもらった。