-TSUNATORI(綱取り)- 森ノ山 奥秩父部屋 (雲取山まで)
春の奥秩父縦走路 - the longer the higher
夜とお友達になる方法
5月13日⁽金⁾、仕事後に一度帰宅し、1時間半の仮眠をとり終電で西武秩父線横瀬駅へ。
日付が変わった14日午前0時10分に同駅をスタート。まずはファーストピークの武甲山を目指します。⁽スタートがここからになったのは後程説明します。⁾
今回、計画を立てる上で重要だったのはどこで夜を過ごすか。⁽夜間走をするのか。⁾ということでした。計画では1日半、約36時間⁽休憩含ず⁾で見ていました。一度通ったことはあるとはいえ、空白⁽未走⁾部分があったのも確かです。⁽酉谷山~雲取山、雁坂峠~甲武信ヶ岳、信州峠~清里駅は走ったことない。⁾
なかでも夜は避けたいと思ったのが最後の信州峠~清里駅。山と高原地図では破線となっている部分があります。事前にヤマレコ等で情報を収集しましたが、踏み跡があっても笹藪が多いとありました。順調に進んで、この最終区間を昼~午後に持ってくる予定でこのスタート時間に至りました。
横瀬駅~武甲山以降の多摩方面へ向かう南下ルートは何度も通った、仲間を案内したルートです。ファーストピークの武甲山を夜に上ったのは初めてでした。山頂付近には立派な神社もあり少々ビビッていたのですが、山頂に立つと町の夜景がとてもきれいでナイトハイクには抜群の山です。⁽写真ありません。⁾
ハッキリ言って夜間走は怖いし、視界も悪く、楽しくないと思ってしまいがちです。これまでレースでも何度か夜間走は経験しましたが、特に走ったことのないルートを突っ込むことは気力を使います。
しかし、今回は進む方向には遠く明るい光が見え⁽東京方面⁾ルートも知り尽くしているからか楽しむことが出来たほどでした。必ずではないけれど、通い詰めれば苦手な夜も克服できることを教わりました。
夜明け~FLAT TRAIL長沢背陵尾根
そうこうしているうちに3時を過ぎると徐々に空が白んできて朝を迎えます。4時になると鳥のさえずりから大合唱が始まり、今日という舞台の幕開けです。
(有馬峠で朝を迎える。)
予定通りに進み南下終了。日向沢ノ峰と蕎麦粒山の間にあるオハヤシノ頭分岐に出たらひたすら西へ向かいます。一つ目のヤマとして考えていたのが東京都最高峰、雲取山。
そこまでのトレイルが極上でした。
地図を見ればわかりますがここから先はアップダウンが少ない山道で、左手に多摩方面の山を見ながら焦らず、ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせ進みました。
(最初の給水ポイント、一杯水。涸れていることもある。)
今回、本当に助けられたのは天候と時期でした。お天道様が1日中ギラギラと照っていることもなく、雲に隠れっぱなしということもなく丁度良いタイミングで顔を覗かせてくれ行動中はノースリーブ、アームカバーで調整、下はファイントラックのパワーメッシュニータイツに短パンでした。
また、例年ではこの時期はまだ残雪が結構あり、特に甲武信ヶ岳以西は普通だったらこの格好での縦走はできないと思います。
スタートから7時間半が経った頃、はじめは気持ちが高揚していたのもあって全く感じませんでしたが光が差し始め落ち着いたところで眠くなってきました。
(焦る必要は全くないのでこちらで休憩。アルファ米を食べ、20分ほどの仮眠。)
避難小屋の利用は最初から頭に入れていました。ダウン、サバイバルシート、ソロツェルトを持参していましたが、利用できるものは利用させて頂きます。(今回の目標は通しで清里まで2日間以内。)
たった20分の仮眠ですっかり元気に。
⁽休憩前、結構きてるなと思い顔撮ってみたら眠そうでした。⁾
(アフター。目が違います!)
避難小屋から先、雲取山までが未走部分でしたが、その後も想定した時間通りに進みます。
僕個人はアップダウンの激しいエクストリームなコースを走ることの方が好きだったりしますが、フラットで淡々としたシングルトラック、緑が広がり、人の気配がほとんどしないこのトレイルに魅せられました。守っていかなくてはいけない、守りたくなるそのままの自然の魅力を持っていました。⁽所々斜面を踏み外すと崩れるのでそこはゆっくり。⁾歩くとなると本当に長いですが女性にも優しい、おすすめトレイルです。
雲取山以西にも幾つか未走部分はありましたが、今回の旅のハイライトは何と言っても長沢背陵尾根。時間を忘れ楽しむことができました。
避難小屋で1時間の休憩⁽仮眠含め⁾を取りましたが予定の30分ビハインドで雲取山荘に到着。ここまで来ると登山客も多く見られます。再度水を補給し、山頂へ。
(スタートから約12時間、雲取山に到着。)
頂上にはオシャレな人たちで賑わっていました。雲取山へはこれで4度目くらい。今回もちょうどガスがかぶり良い景色は見えませんでした。とりあえず、一つ目のヤマを終え気が楽になりました。と思ったのも束の間、ドラマはここからです。
続く。
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