Not only three of us

去り際にS名さんとがっちり握手をかわし、ゴールで会うことを約束した。
大の字で横になっていたが、自分の脚でまだ動けるのでよかった。

 

次にサポートクルーと会えるのはCP6で距離にして15kmくらいだろうか。下り基調のロードを進む。途中、暑さに我慢できず全員半裸で走った。脱いだはいいが町が近くに見えるところまで下りてきていたので一般人も多かった。
Aキャップは相変わらずで猿と戯れようと手を伸ばし、猿が怒った顔を見せる。本人曰くこの顔が見たいのだとか。


一度下りきるとbeaconhillへの登り口で他チームをサポートする日本人の方々がご厚意で冷却用の氷、コーラ、ブドウ等を下さった。このタイミングで欲しいものを有り難く頂く。
聞けば、やはり日本から来る参加者はこの暑さとの折り合いをつけることに難儀しているらしい。
メンタル的にも勇気づけられ、抜き去られたチームをまた追い抜いて行く。他チームとは互いに声をかけあい、励ましあいながら進むのだが上位チームはこのレースの攻略方法を知っている。なかには今年で10回目の出場だという選手もいた。

 

サポートは並走も許されているので空身で走るチームも多い。どれ位の距離を並走していたのかは知らないが、ほぼ常時サポートを受けられるのでCPのエイドに立ち寄る時間も極端に少ない。

また遅い人をリードで引っ張って走るチームも少なくなかった。日本では考えられないが何でもありだ。ルールで認められている以上、それは少しでも早くゴールしたい、勝利、自分たちの目標に貪欲である証拠だ。

 

暑さはまだおさまらず、登りきったらCP6というところでK田さんが下りてきてくれていた。サポート隊が待つ場所までの登りを脚を止めずに駆ける。Aキャップは本当に前週に75kも走ったのかというくらい快走を続ける。A木さんは攣ったときのダメージが残っていそうだが、経験値でうまくカバーしている。自分は苦手なロードに苦戦していた。また暑さで補給が思った以上にできていなかったのでエネルギーが足りなくなっていたのかもしれない。

無事CP6に到着。ここで用意して頂いたおにぎりをゆっくり頬張る。自分はここからが勝負処だと思っていた。恐らく他のメンバーもそうだ。(事前にどこでペースを上げていく等といったすり合わせは僕らにはない。その時々の状況で走るのみ。)トレイルの断面図を見ても最高点のTaiMoShanを登り切ってしまえばあとは殆ど下るだけだ。

ヘッドライトを装着し暗がりの中、サポートクルーを背にまた走りだす。

続く。