Shinetsu Five Mountain Peaks 続き。

Shinetsu Five Mountain Peaks - the longer the higher
  
高谷池周辺のちらほらと見られる紅葉に心踊らせつつも真っ暗にならないうちに妙高に取りつきたかった。
ヘッドライト、防寒着を装備し向かう。途中、反対方面からくる女性二人組と遭遇。
久しぶりに人に会えたー!と喜んでおられるご様子。ロープウェイを利用してのんびり妙高を楽しまれたようだ。
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そうこうしているうちに日は傾き、いよいよヘッドライトの出番が必要になってきた。
念のため水をまた補給しつつ、アルファ米にも水をいれる。
急な登りが続き、気付けばハンガーノック気味だった。焦る必要はなかった。
沈みゆく太陽がつくりだす夕日と闇のグラデーションを見ながらたっぷり食事を頂く。
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山頂に着いた。そして、満足感を得たのち来た道を下る。途中の笹ヶ峰分岐まではよかったが、ここからが長かった。
過去にも夜の行動があるとは言えど、ソロであるとどうしてもやる気が下がってしまう。
周りの景色なんぞなく、足下に注意をはらっていないと痛い目にあう。道がハッキリしているのは負担を和らげてくれたが、暗がりを一人は精神的にまいる。
傾斜が急で滑りやすい道は予定の時間を簡単にオーバーさせてくれた。
下りてきたら下りてきたでキャンプ場を抜ける道がわからない。ぐるぐるまわっていたらそれらしき方向にそれらしき道があったので、進んでみた。
すると、お馴染みの矢印看板が登場!信越五岳トレイルレースのものだ。レースはその翌々日。
ここから黒姫の登山口分岐までは道がレースのコースとかぶっている。
道を探すのに気を使わなくてもいいやと思ったのも束の間、乙見湖に出てきたらどっと疲れた。
きっとキャンプ場で人がいるのを見て安心感を得てしまったのだろう。
また眠気もまあま来ていたし、山から下りてきたのに寒かった。

乙見湖で小休憩したら暗闇を再度進んでいく。最低でも1時間は寝ようと思っていたところで、避難小屋に着いた。
入ると暖かく、誰もいない。ここで日が変わるくらいの時間だっただろうか。
地図を見返し、全行程は無理と判断。仮眠をとったら黒姫、下りて高妻へは向かわず戸隠で終わり。飯縄山も諦める。
そして眠りに落ちた...

起きたら空が薄く明るい。しまった!爆睡してしまった(笑)時計を見たらもう5時だ。
これではとても戸隠までは無理なので、黒姫山に登って帰ろう。
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悔しさもなくはなかったが、自分の能力、今回の状況にあった計画ではないことを受け入れ潔く切り替えた。
西登山口から登ったが大きめの岩の上を歩くような道だった。夜にあのまま突っ込んでいたら、心が折れていたことは容易に想像がつく。
しかし、いい雰囲気の道だったな。
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頂上に着くと黒姫を除く信越四岳(斑尾、妙高、戸隠、飯縄)を拝むことができた。
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一番楽しみにしていた戸隠山の切り立ったリッジは人を寄せ付けない雰囲気を漂わせている。
友との思い出の山、飯縄山はこの角度で見るのは初めてだったが、穏やかで懐の深さを感じる。
しばし、いろんなことを思いながら一人山頂での時間を楽しんだ。
そこからバスの時間に間に合うようにと下りて行ったわけだが、間に合わないと途中でわかった。
焦ったってまた仕方がないからと最後は予定もしていなかった爽快で走りやすいトレイルを楽しみ、黒姫駅に無事到着。
結局登れた山は頚城三山(焼山、火打、妙高)+黒姫で今回は終了。

信越五岳“未”完。

山行記録:参考地図 山と高原地図18 妙高・戸隠・雨飾

小谷温泉 8:10
雨飾山 10:30
金山 12:50
焼山 14:20
火打山 15:45
高谷池 16:50
妙高山(北峰) 18:30
夢見平避難小屋 23:00~0:00着 5:00過ぎ発
黒姫山 7:20
JR黒姫駅 ??? 

Shinetsu Five Mountain Peaks

2015/09/20,21

信越五岳(北信五岳)、この5つの山をご存じだろうか。

東から斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山飯縄山がそれにあたる。

信越五岳と言えば山を走る人は一発で想像するのはあの気持ちの良いなだらかな山の旅レースだろう。

今回は僕も初めてエントリーしていた。それにあわせて休みも4日間あったのでめったに来ることのない山域を「レース前だから」とか何とか言わずに楽しもうと思った。

それが上記5座の内4座を繋げることだ。斑尾山のピークはレースでも通るため、回避。

そこで代わりに目を付けたのが長野県小谷村にある雨飾山だ。そこを起点に焼山、火打、妙高、黒姫、高妻、戸隠、飯縄となんとまあこの山域のオールスターをよく並べたものだ。

計画段階でわかっていたがこれは少々無理がある。寝る時間は殆どなしに、1日ちょっと。
20日の朝8時くらいにスタートして翌21日はレースの受付があるので昼までには終わらせなくてはならない。だから行けるとこまでと割り切っていた。

 

19日に白馬村の簡易宿で前泊。翌朝、スタートの小谷温泉までは電車とバスで移動。

涼しい空気を感じながら、一つ目のピークは雨飾山
淡々と登っていたらすぐについてしまった。車でのアクセスの良さからか山頂は休憩する人でいっぱいだ。

ガスがかかった雨飾山を後にし、いよいよ焼山までの縦走ルートをすすむ。

破線ルートではあったが踏み後はしっかり残っている。と言うより、誰かが草を刈ってくれている。

このルートは体力勝負だ。起伏が激しさからか距離があると感じてしまうだろう。その上水場もない。
そんなことは構わず歩みを進め、いつの間にか金山に到着。

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この空虚感がまたいい。人気を感じず周りを囲むは自然のみ。

そして、さあ俺のところへ来いと言わんばかりの焼山の存在感。

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この写真は金山からだいぶ離れ、焼山に近づいているが近づかんともこの威圧感、そしてそこまで行く唯一のライン⁽トレイル⁾は”美しい”の一言だ。

登る、登る、登る。足元がガレてきたら頂上は近い。
活火山である焼山。その荒々しい岩が周囲の山とは一線を画す様相を織りなしている。

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これで終わりではない。核心部にはまだ触れてもいないのだ。

そう、信越五岳は妙高からである。しかし、その前にもう一山手強く、無視できない山が…

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火打山、2462mの標高は今回の行程一の高さを誇る。
しかし、自然のエネルギーというものはすごい。疲れを感じさせない。
綺麗な情景をこの眼で見たいが為に進むわけだが、

見れば見るほどに前へと進む活力を与えてくれ、また次はどんな光景が広がるのであろうかという好奇心までも駆り立ててくれる。

 

そして、火打山を越え高谷池へ。

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紅葉には少し早かったが、この色合いも絶妙。

ヒュッテでたっぷり飲み水を確保したら行くはいよいよ妙高山

 

続く。

 

越後三山

2015/10/18

山行記録(参考地図:山と高原地図15 越後三山)
JR浦佐駅 8:00
大倉登山口 9:00
薬師岳 11:07
五竜岳 12:30
御月山 14:40
中ノ岳 15:30
天狗平 16:40
駒ケ岳 17:10
大倉登山口 19:40
JR浦佐駅 20:30

今回は新潟の八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳、即ち越後三山を1日でまわってきた。
新潟のこの山域は初めてで自宅の埼玉から浦佐駅まで新幹線で移動。その時間なんと約2時間。
便利も行き過ぎるとなんか怖い…が、その便利さを利用させてもらわなければ今回の山行はできていない。
駅到着時、辺りは霧に包まれていた。コンビニで必要な食料を買い、大倉登山口へ向かうこと1時間。途中、霧も晴れ山がその姿を現す。
八海山坂本神社でお詣りを済ませ登る。4合目半までの道は起伏もそんなに激しくなく、木々の葉は赤、黄色に色づいていた。フカフカのトレイルだ。
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分岐にたどり着くとロープウェイを利用して上がってきた登山者と合流。ここから少し我慢が続く。
八海山は地図にある通り、鎖場や岩が多い。日曜と言うこともあり薬師岳から五竜岳あたりまでは渋滞が発生していた。
僕の風貌を見てトレイルランの人、走る人だと声に出す人も結構いた。あまりいい気分ではない。だって、こんなとこ走らない…
しかし、半袖短パンが動きやすくていい。防寒着はザックにある。
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何度か渋滞待ちを繰り返したのち、ようやく中ノ岳へと続くラインが見えてきた。
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ここから御月山までは地図上で破線となっている。痩せ尾根と急登が続く。
先ほどまでの人はおらず、中ノ岳までで会った人は一人。
楽しみにしていたワクワクゾーンを満喫!
と言いたいところだったが、八海山を上がったところですでに持ち合わせの水が残り200mlがいいところ。
補給を予定していた水場では水が汚くそのままいったら腹を壊すと判断しパス。
次の水場に望みをかけ、脱水覚悟で進んでいた。案の定、口の中はカラカラ。
日差しが熱く、湿った空気が上がってくる谷側へ顔を向ける。
そして最終的には日陰でまだ熊笹の上に残っていた朝露を舐めながらすすんだ(笑)
ちなみにこれくらいは過去に経験済みだ。これ以上は本当にマズいと毎回思っている。
そうして、歩みを止めないように且つ予定の時間には大幅には遅れないようなペースを保ち念願の水場に到着。
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ここの水も決して安全とは言えないだろうが、もうおかまいなし。通ってきた道も紅葉の美しさもしっかり記憶に残っている。
ここですでに15時。最後のピーク、駒ケ岳へ日没前に辿り着ければ後は暗闇でも下るだけなので大丈夫だ。
中ノ岳のピークを踏み、ガスがかかったり晴れたりする道を楽しみながら駒ケ岳へ到着。
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駒ケ岳からの下山は傾斜が急でライトを持っているとはいえ足元には不安が付きまとう。
脚を止めれば無音か風、沢の音しか聞こえず自分は大自然の中にいる小さな小さな存在だと思い知らされる。
この感じは時に怖さも感じるが好きな感覚だ。
さすがにこの時間では人がいないだろうと思っていたらシングルトラックのど真ん中に緑のツェルトが張られている。
疲労がたまってきていたので「えっ?!」と言葉を発したのち、理解するのに2秒くらいかかった。人が寝てる。
「大丈夫ですよね?何もないですよね?」と声をかけたら「はーい。」と普通に声が返ってきたので安心した。
美しい夕日が漆黒の闇に変わる光景を目に焼き付け帰路に就いた。

越後三山、完。